2018
20
Apr

ドローン写真空撮雑記

思い出

アイキャッチ画像撮影:DJI Phantom4 PRO

 

本日のアイキャッチ画像は、4月の初旬に訪れた福島県浪江町、請戸川リバーラインの桜並木をPhantom4で空撮したものです。
堤防沿いに1キロに渡って植えられている桜並木です。

浪江町は東日本大震災後に発生した原子力災害によって、永く、そして厳しく立ち入りが制限されてきましたが、昨年より線量が下がった地域から避難解除となり、一部住民の方が帰還を始められています。この請戸川のエリアは福島第一原子力発電所の真北にあたり、比較的放射性物質の残留は少ないとされる地域です。現在は時間の制限なく立ち入ることができます。
一方で発電所の北西部にあたるエリアは、沿岸部から山間部の津島地区にかけて、事故当日の風向きによって多くの放射性物質が拡散してしまい、今でも広く帰宅困難区域となっています。

町内の学校も、二本松市など全てほかの地区に仮移転をしている状態ですが、住民の皆さんの帰還に合わせて、浪江町内に小学校、中学校が新しく新設(元々の学校を改修する形で)し、今年度から生徒が募集されているとのことです。
朝日新聞デジタルに記事があったので以下に転載します。

7年ぶりに町内で小中学校が再開 福島県浪江町で入学式

昨春、原発事故に伴う避難指示が帰還困難区域を除いて解除された福島県浪江町で6日、7年ぶりに町内で小中学校が再開した。この日の入学式には、児童・生徒10人が参加。町民登録の小中学生約1200人の1%に満たないが、ふるさとの学舎(まなびや)での学校生活に期待を膨らませた。新設された学校は「なみえ創成小・中学校」。東京電力福島第一原発から北約8キロの旧浪江東中の校舎を約15億円かけて改修した。

 

小、中合わせて10人。
それでも、7年という時間が空白になってしまった町にとってはこれは大きな歩みであり、関係者の皆さんの感慨もひとしおだったのではないかと思います。

請戸川の桜を見にいく前の日に、浪江町の住人のお友達に会ってきました。今現在は中通りの災害復興住宅に入居されています。
その方に、明日請戸川の桜を見にいくんだ、とお伝えしたところ、

”あの川ぞいの道は、通学路だった。桜の時期に、小学生や中学生が沢山歩いていたが凄く絵になって、写真に沢山撮っていた”

と、思い出を話してくれました。
そして、

”今は誰もいないだろうな”

と寂しそうに。

ドローンを上空にあげて、この桜の通学路を俯瞰で撮影して見ました。

桜の花越しに、サイクリングロードの白線が見えます。この道を多くの人々が行き来して、桜を眺めていたのでしょう。
原子力災害という特殊性から、ここ数年でどうこう、というのはとても難しいことなのだとは思います。
今は10人の小、中学生が大きくなり、次第により多くのご家族、子供達が浪江に戻り、彼らの子ども、そして孫・・いつか、またこの桜並木の下に、多くの子供達や地域のみなさまが再び集える日が来ると良いな、と心から思います。

また、来年も来てみよう、と思える場所になりました。

 

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