2018
15
Jun

プラチナ・パラジウムプリント写真雑記

透過光とプリント

写真のプリント、といえば、額装して壁に展示し、スポットライトやカッティングライトのような照明器具によるライティング・・つまり、反射光による鑑賞が最も一般的です。
一方で、モニタで見るデジタル画像の場合はモニタ自身のバックライトの発光、そして液晶による遮光で色を表現しているので、透過光によるものだ、ということができます。

今、透過光で美しいプリント、そしてその展示方法を一生懸命試行(思考?)しています。
反射光には反射光の美しさがありますし、この世の全てのものは光が当たって、その光の吸収率や反射や散乱によって色が出てそれを我々が視覚しているので、そうやってみるのが極々自然なのですが、透過光でうまく見せられると何というかな・・・滲み出てくるような、物質が沸き立つような何かを感じることがあるのです。
あわせて、反射光よりも柔らかく、色や光の濃淡の差もあまり出ず、フラットだなと感じます。
自分の感覚のことなので、きっと伝わらないと思いますが(笑)

不思議なんですけどね。

8月の個展の時もいくつか試したのですが、極薄の和紙(土佐白金紙の雁皮紙)に、暗めの画像をプラチナ・パラジウムプリントし、これをアクリル下地の状態で額装し、裏から窓などからの自然光か、LED照明を入れて透過させるやり方をしていました。
アイキャッチ画像は、アクリル板→穴あきマット→プリント→穴あきマットのようにマッティングして額に入れ、部屋の照明に透かしているものです。(ちょっと雰囲気を出すためにホワイトバランスを倒していますが・・)
このプリントは普通に鑑賞するとほとんど真っ黒に見えるほど黒が強いのですが、光にかざした瞬間に本来の姿を現します。
眠っていたものが目を覚ます、あるいは呼吸するような、そんな作品を作ってみたいのです。

まだまだ色々な形態を試してみたいと思っています。

 

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