光は、電磁波の一種でありながら粒子、つまり物質としての性質も併せもつ存在である。
写真を撮影してプリントを作る、という行為は、レンズを介して光の粒子を集めて均し、一枚の印画紙の上に、別の物質で再構成する行為とも言える。
しかしながら、一般的なモノクロプリントでは”影”の部分がより強く物質として残り、光は印画紙の白、すなわち”無”で表現されている。
本作品群では、光を物質として現すことを試みた。
光をより尊い、神秘的な”存在”として残したい、と考えたからだ。
様々な物体、様々な空間、様々時間軸から発せられた光は、プラチナ属の粒子として
同質化され、今一枚の印画紙の上に収斂する。